女の子の人生、きいてみよう #05 前編

ラフに生きよう

モテクリエイター ゆうこす

共感力は、ただ相手の気持ちに寄り添うだけじゃない。
相手の心を思いやりながら、自分の心を調和させる力がある。
それも、こよなくなめらかに。

相手の心をキャッチアップしながら、自分の気持ちを伝えていく力。

ゆうこすさんの言葉は、時に安らぎを与え、時に勇気を与え、時にためらった自分の背中をそっと押してくれる。

抱え込んで動けなくならなくてもいい。
いくらだって方法はあるのだから。
ゆうこすさんが言ったように。
ラフに生きよう。

相手の心をキャッチアップする

これからの時代に求められることは、自分が「やりたい」「やりたくない」をしっかり伝える力だと思うんですね。(ゆうこす)

千原
ゆうこすさんは、日々、経営者やいろいろな方と関りながらお仕事をされていますよね。
ゆうこす
もともとインフルエンサーやユーチューバーの方と関わることが多かったのですが、ここ一年くらいは起業家の方とご一緒することが多いですね。
千原
まだまだ男性社会ですが、女性として入っていくことで感じることはありますか?
ゆうこす
会社を起業して三年目になります。ユーチューバーやインスタグラマーとして自分が活動していくことと同時に会社経営をしていて。スキンケア商品の開発や自分の活動についての運営、それから所属タレントのマネジメントが主な業務になっているんですが、会社には700人ほどのタレントが所属しています。実はいろいろとやっています。その中で抱く印象は「起業家にはまだ女性は少ない」ということです。
千原
意外と女性って少ないですよね。
ゆうこす
今は環境的にも社会的にも、以前に比べればずいぶん実現しやすくなったと思うのですが、まだまだ数は少ない。会食に行けば、男女比率が9:1という場面は多いです。
千原
確かにそうですね。お鮨屋のカウンターで社長さん同士の会食風景を目にすると、明らかに女性の数が少ない。女性は一人だけという場面もよくあります。
ゆうこす
一人しかいないという状況は珍しくないですね。大変なこともありますが、どちらかというと数が少ない分、可愛がってもらえる部分もあります。得したなと思えることもあったり。
女性って集団行動が得意じゃないですか。空気を読む力がハンパないと思うんですよ。
千原
そうですね。女子高だと空気を読めなきゃ生きていけない気がする。
ゆうこす
そうです。空気を読まなきゃ学生生活をやっていけない(笑)。空気を読む力が強いと思うのですが、そんな女性が社会に出て行くようになってから、空気を読んで、やりたくないこともやってしまったりしている気がします。例えば、男性から「もっと飲めるよね?」と言われて、つい「あ、飲みます」と言ってしまったり。先に空気を読んで、その場が丸く収まるように対処してしまうことは結構あると思っていて。
千原
そういう男性は、飲まなかったら「え?…」という空気を出したりしますもんね。
ゆうこす
「その空気、何?」って思うんですけどね。空気を読もうとしてそういうことに陥ってしまっている。
でも、これからの時代に求められることは、自分が「やりたい」「やりたくない」をしっかり伝える力だと思うんですね。「やりたくない」にしても〝どうしてやりたくないのか〟という理由まで言葉にする。その判断力と言語化する力さえあれば、「女だからこう、男だからこう」というような考え方はなくなると思います。
千原
意外とやりたいことに忠実にいることって難しいですよね。気付かないまま「やりたくないこと」をやっていたりすることもあるじゃないですか。別にそれほどやりたいと思っていなかったのに、「好き」と言ってしまっていたり。
デザインの仕事を日々やっていると、「こういうデザインが今イケてる」という流れのようなものがあって。自分はこちらが好きなのに、なんとなくその流れに影響されて違う方を選んでしまう時がある。「あれ?これ、そんなに好きじゃなかったな」という。

情報が溢れすぎていて、やりたいことに対して忠実に生きるということは結構難しくて。SNSを見ていると、「この店に行かなくちゃいけないのかな?」と、好きでもないのに足を運んでみたり。情報に左右されているなって思うんですよ。
ゆうこす
確かに、とてもよくわかります。ただ、私はそれほど左右されていない気がしていて。多分私は、〝モテ〟を意識した「ぶりっ子」というところがブレていないんです。
SNSを通じて、私のことをフォローしてくださっているいろんな人たちとコミュニケーションをとっていることが、自分の軸を保っていられる一つの理由かもしれないです。私はとてもありがたい環境にいるのかもしれません。
千原
ゆうこすはそうですよね。SNSの使い方がさすがだなぁって感心しています。たまに僕もインスタライブとか見てます。
ゆうこす
本当ですか?…もうちょっとかわいく話そう(笑)。
千原
男性社会ってもともと「闘い」というイメージでしたが、最近ではSNSによって「共有」の社会に変わってきていますよね。裏で一生懸命やって洗練させていく……などでなく、日々の情報をカジュアルに出していくことでファンになってフォローや応援をしてくれたり。Instagramを筆頭に、SNSをうまく活用しているのは女性の方が多い気がします。
ゆうこす
コミュニケーションの取り方や相手が何を考えているかをキャッチアップするのが女性はうまいという印象はありますよね。
千原
デザイナーってそういうことが苦手な人が多いんです。まだ完成していない制作途中のデザインをInstagramに出すのも、「ちゃんとポスターになっていないと嫌」とか。あとコミュニケーションが苦手な人も多かったり。PCで一人作業することが向いているからデザイナーという仕事を選んだというケースも多々ありますから。普段の生活や、クリエーションの過程を出していった方がファンにとってはおもしろかったりするのにね。
ゆうこす
そうですよね。ストーリーが〝応援〟に変わっている感はありますよね。

SNSの使い分け

千原
SNSをやっていて、ファンの気持ちが上がっていくというのは感じますか?
ゆうこす
めちゃんこあります。実は、私はInstagram、Twitter、YouTube、生配信など、複数のSNSを活用しているんですね。どうしていっぱいやっているのかというと、単純にたくさんやれば多くの人に知ってもらえるから。

各SNSによってそれぞれのカラーを変えています。フォロワーさんにもそれぞれ熱量の差があるじゃないですか。最近好きになってくれた人やこれから好きになってくれる人のためにYouTubeではキャッチーにゆうこすのことを知ってもらえるように工夫しています。コアなファンには別のアプローチをとったり。フォロワーさんの熱量に合わせて使い分けています。

それは私にとってもすごく良い効果があって。人間にはいろいろな面がありますよね。一つの面だけだとしたらバランスが悪いんです。いろいろなSNSで自分を分散している感じです。
千原
複数のアウトプットでバランスをとっている。
ゆうこす
コアなファンにしか言えないこともあれば、まだ私のことをそこまで知らないファンに伝えたい言葉もある。いろんな場所があることは、いい意味でのはけ口になっています。
生きていても同じだと思うんです。学校だけだと辛いけれど、部活があったり、ネット友達がいたり…そうやっていろんな場所があった方が楽になってくるじゃないですか。実際に私はSNSを使い分けることで楽になりました。
千原
それはいいですね。逆にそれをやることで辛いことはないのですか?
ゆうこす
むしろスマホがない生活が考えられません。
千原
何もやらない方が辛いっていうことですよね? すごいなぁ。それがそのまま仕事にも繋がっているという感じですもんね。

プロフィール

1994年、福岡県生まれ。2012年にアイドルグループ「HKT48」を脱退後、タレント活動に挫折しニート生活を送るも、2016年に自己プロデュースを開始、「モテクリエイター」という新しい肩書きを作り自ら起業。現在はタレント、モデル、SNSアドバイザー、インフルエンサー、YouTuberとして活躍中。

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