女の子の人生、きいてみよう #05 中編

ラフに生きよう

モテクリエイター ゆうこす

共感力は、ただ相手の気持ちに寄り添うだけじゃない。
相手の心を思いやりながら、自分の心を調和させる力がある。
それも、こよなくなめらかに。

相手の心をキャッチアップしながら、自分の気持ちを伝えていく力。

ゆうこすさんの言葉は、時に安らぎを与え、時に勇気を与え、時にためらった自分の背中をそっと押してくれる。

抱え込んで動けなくならなくてもいい。
いくらだって方法はあるのだから。
ゆうこすさんが言ったように。
ラフに生きよう。

ゆうこすのお仕事

アイドルを好きになる感覚で「ゆうこすが好き」というよりも「ゆうこすの生き方が知りたい」と、学ぶ姿勢の人が多い気がします。(千原)

千原
表に立つ仕事だけでなく、社長業であれば舞台裏でもたくさん動いているのですよね? 楽屋でもパソコンで仕事をしながら、指示を出したりしていましたよね。そういうところを陰で見ていて感心していたのですが。700人の所属している会社というのは何をやっているんですか?
ゆうこす
基本的には、生配信者、ライバーさんのマネジメントです。生配信といってもいろいろな種類があります。Twitter、Instagram、YouTube、それぞれに生配信はあります。それ以外にも投げ銭系と呼ばれている動画配信サービスで生計を立てている人たちもいて、中には平均再生回数のアベレージが1000万~2000万回などのアーティストもいたりします。
千原
アーティストが所属されているということですね。
ゆうこす
あとは飲食店をやったり。
千原
そんなのもやってるんですか? どこで?
ゆうこす
実はまだ秘密にしていて(笑)。今、「ゆうこすがやっています」と公言してしまうと「ゆうこすの店」になってしまうので。もし〝ゆうこす〟がダメになっても、続けていくことができるビジネスをフォロワー数の多い今の時期にたくさん生み出しておこうと思って。それが必ず将来の遺産になるだろうと思っていて、めっちゃがんばっとる(笑)。
千原
じゃあ、「ゆうこすが飲食店をやっている」という話はしていないんですね?
ゆうこす
いつか「実は、私がプロデューサーです」とドヤれる日を目指して(笑)。
千原
すごいですね。他には何を?
ゆうこす
最近だとAmebaのクリエイティブディレクターとかにも就任して。
千原
え? そういうのもやってるの?
ゆうこす
そうですね。普通にデートとかもしていますけどね(笑)
千原
日々、積極的にSNSを駆使して表に出ながら、このように裏側の仕事もたくさんしている。いわゆる一般的な経営者の方々とはまた違いますね。女性ならではなのではないでしょうか?
ゆうこす
確かにそうかもしれません。
千原
両立するのはとても難しいと思います。ゆうこすさんのライフスタイルにはいろんな人が関心を抱いていますよね。配信の観覧者って女性の方が多いですか?
ゆうこす
データを見ても圧倒的に女性ですね。YouTubeでいうと95対5くらいの割合です。
千原
アイドルを好きになる感覚で「ゆうこすが好き」というよりも「ゆうこすの生き方が知りたい」と、学ぶ姿勢の人が多い気がします。
ゆうこす
(会場を見ながら)頷いていくれてる。うれしい。
千原
ゆうこすさんが活躍することによって、「私も経営者になりたい」という人が増えていくといいですよね。
ゆうこす
そうですね。でも、実際に自分でやってみて思ったのが、「立ち上げる」となった時に、それこそ女性には結婚や出産など人生の中でいろいろなポイントがありますよね。「起業家になるぞ!」という人って、「いろんなことを全て自分でしなくちゃいけない」と信じ込んでいる場合がある。そこで諦めている女性も多いと思うんです。
家事だって女性がしなくても全然いいわけです。旦那さんと話し合って、できないなら家事代行サービスを活用したっていい。実際私は家事代行サービスに週三回お世話になっているんですよ。その分、お仕事を頑張ろうって。
ゆうこす
全てを自分ひとりでやらなくちゃいけないということではなく、むしろ「自分がしないこと」を見極めることができる人ほど私は優秀だと思うし、尊敬しています。
自分が率先してやらなくてもいいことを見極めて、自分がやるべきことに注力する。例えば人に任せる力があれば、結婚して子どもが生まれ、会社から離れなければいけないとなった時に、「ちょっと休むわ」「リモート作業にするわ」「決断を下すだけにするわ」など、人に振り分けることができるようになるんですね。
だから自分がやらなくていいことをちゃんと見極めることができるようになれば、生きやすくなると思います。

結婚、出産、仕事のあり方

みんなが自由にその人に合ったやり方で楽にできる方法を見つけることができるといいですよね。(ゆうこす)

千原
結婚や出産について考えたりします?
ゆうこす
私はまだ検討がつかないですね。今25歳になって、周りの友人が子どもを産んでいたりするのを見ると「このタイミングで仕事を辞めなくちゃいけないのか」と思ってしまいます。
あと、家事や子育てに追われている人を見て思うところはあります。やっていることはすごいことで尊敬しているのですが、人が何かに追われながらやっている時って視野がとても狭くなっていると思うんですね。だから会社や周りの人たちが「こういうサービスがあるよ」とか「私に頼って」とか、頼れる場所を見せていくことが大事だと思っていますし、そういう社会になってほしいなと思いますね。
千原
なりつつありますが、世の風潮や自分の親や親戚を含めた慣習、経験がそれを阻むこともありますよね。
ゆうこす
親や親戚問題はありますね。
千原
そこがわりとうるさいじゃないですか。
ゆうこす
確かにそうですね。「これが常識だから」とか「みんながやっているから」とか、私はそういう考え方があまり好きじゃなくて。私も悩んだこともありました。親や親戚と仲が良いに越したことはないのですが、それが「絶対である必要はない」と思っています。合わなかったら合わないで、相手のことを傷つけないように距離を保つことも大切です。
千原
いい距離感でね。僕も子育てしているのですが、自分たちなりのやり方でストレスなくやらないと、余計に子どもによくなかったりする。結局、「親がこう言っているから」とか「世の中はこうだから」とかいう話になってくると、夫婦同士の喧嘩に発展することだってある。それが一番子育てに良くなかったりするので、いかに楽にできるかということも大事だと思うんですよね。
ゆうこす
「楽に生きよう」と思う。楽に生きたい(笑)。
ゆうこす
たまに帰省すると、昔ながらの概念やルールに愕然としてしまうことがあります。例えば、母親になった友だちの口紅がモードな色をしていただけで「ママ(お母さん)っぽくない」って周りの人から言われていて。それを耳にして「え?何が悪いの?」って。「ママっぽさって何?ママっぽい口紅の色って?」って。すごくびっくりしました。それが子どもに害があるようなことであれば非難されても分かるのですが、口紅の色で子どもに害はないじゃないですか?
千原
確かに東京に住んでいると、日本社会全体との認識の差を感じる時はあるかもしれませんね。
ゆうこす
仕事とかでもそうですよね。お正月に帰省すると「最近仕事何しているの?」と聞かれる。「YouTubeとか、Instagramとかやっているんだよね」と答えると「そうじゃなくて職業は何なの?」と言われる。「ちゃんとお金を稼いでるんだよ」と言っても伝わらない。
「あ、モテクリエイター(笑)」って言ったら「ちゃんと就職しなさい」って言われる。「会社を起業してる」ってドヤって言ったら、起業も不安みたいで。働くということは「どこかに就職する」という以外に考えの中にないんです。だから私は意地を張って、親戚たちに毎回一万円を渡して「仕事してます」アピールをして帰るという(笑)。
千原
ちゃんと稼いでるよって(笑)。
ゆうこす
そうやって文句を言われないようにする(笑)。
千原
仕事も子育てもしながら、それが活力になってできることだってある。
ゆうこす
人それぞれ百人百通りだと思うので。とにかく「こういうやり方がある」とか「このやり方じゃなきゃダメ」というのはなく、みんなが自由にその人に合ったやり方で楽にできる方法を見つけることができるといいですよね。そのためにもいろんな選択肢があってほしいですよね。
千原
その選択肢の中から自分に合った方法を見つけていくのが大事ですよね。
ゆうこす
人口が一番多い都市は東京なので、女性の働き方だったり、女性だけじゃなく男性も含めて、働き方改革も東京発信じゃないですか。
でも、実は東京発信でも、東京止まりになっていることがたくさんあると思っています。そこから日本全国へ届けることができるのはインターネットの中で影響力を持っている人だと思うので。勝手に使命感を持っているので、がんばります。これからも応援よろしくお願いします。

プロフィール

1994年、福岡県生まれ。2012年にアイドルグループ「HKT48」を脱退後、タレント活動に挫折しニート生活を送るも、2016年に自己プロデュースを開始、「モテクリエイター」という新しい肩書きを作り自ら起業。現在はタレント、モデル、SNSアドバイザー、インフルエンサー、YouTuberとして活躍中。

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