女の子の人生、きいてみよう #02 前編

「自分の人生は自分で盛り上げる、
という生き方」

女優・タレント MEGUMI

「立派に遊んでいる」

MEGUMIさんが千原さんをそう表現しました。でもその言葉は、千原さんだけでなく二人に共通する生き方のように見えました。

───「怖い想いをした方が人生は幸せになる」
タレントの枠を超え、女優、ラジオパーソナリティ、コスメブランド、飲食店経営、フェスの主催…、「好きなこと」を形にしていくMEGUMIさん。待っているだけじゃ、日々の感動はやってこない。仕事もプライベートも「自分ごと」として、向かっていく───二人は、自分で自分の人生を盛り上げることがとても上手なのです。

「立派に遊ぶ」というのは、ただただ楽しく遊んでいるだけではなく、しっかりとリスクをとりながら好きなことに没頭しているということ。身の回りにある、ほんのささやかなリスクを選択し行動するだけで、目に映る景色はその色合いを鮮やかに変えてくれるかもしれません。

好きを形にしてみた

好きを形にしてみた

きっかけはフリーペーパー。

千原
そもそも芸能の世界に入る時は、どのような想いで飛び込んだんですか?
MEGUMI
私、もともとは歌手になりたくて。17歳の頃に高校を休学して、一年ほど好きだった音楽の本場ニューヨークに行きました。そして帰国後、上京したんです。当時はアフロでオーバーオールを着ていて、昔の鶴瓶師匠みたいでした(笑)
千原
ずいぶん古い鶴瓶さんですね(笑)
MEGUMI
当時、世の中はTKブームで小室ファミリーが一世を風靡していました。レゲエやブ ラックミュージックが好きだった私のスタイルはハマらず、うまくいきませんでした。歌手として活動ができず、表舞台にも出れない。そういう時期がありましたね。
グラビアアイドルとして仕事をいただいて、芸能界という場に入っていたから、何かのきっかけで「曲を出せるかもしれない」という望みがわたしを繋いで、言われたことをひたすらやり続けました。バンジージャンプもしたし、森三中とプロレスもやりました(笑)。「いつか歌えるかもしれない」という思いがすべてで、本当にいろいろなことをやった。でも、当時は何の疑問もストレスもなかったんですよね。
千原
未来に向かっている感じではあったんですね。
MEGUMI
そうですね。今思えば、「わけが分からないままやる」ということも大事かな、と思います。
千原
今、そうした経験や考えをいろいろなことで発信していますよね。「自分から発信しよう」と思ったのはどういうタイミングだったのでしょうか?
MEGUMI
それこそ、10年くらい前。がむしゃらに仕事をしていたのですが、突然「自分が好きなことって何だろう?」と考えたタイミングがありました。私のデビューはグラビアアイドルで、グラビアって要は雑誌なんですね。自分のグラビアを担当した編集者が、別の仕事でおもしろい本を出していたりして、仕事をする中で、なんとなく“本”というものが常に身近な存在でした。そんな環境にいたおかげで、本や雑誌が好きになっていたんです。当時、マネージャーをしていた女性に「雑誌、作りたいよね」という話をして、フリーペーパーだったら自由にできるんじゃないかということで、『FREMAGA』というフリーペーパーを立ち上げました。彼女と二人で「お金をどこから集めよう」というところから始めて、今年で11年目になります。その辺りからですね、自分で好きなことをやりはじめたのは。
好きを形にしてみた
千原
フリーペーパーがきっかけだったんだね。
MEGUMI
そうです。やってみたら「あ、なんだ。できるじゃん」って。そこからお店をしたり、子ども服のブランドを立ち上げたり、コスメをやったり。子ども服は全然うまくいきませんでしたけど(笑)。全てがうまくいったわけでもなく、時には失敗しながらもそこから学んで「やりたいことはどんどんやっていこう」という思考になっていきました。
好きを形にしてみた

自分で自分を盛り上げること。

千原
最近ではご自身の会社も立ち上げましたよね? 社員はどれくらいいるの?
MEGUMI
パートを含めて25人くらいですね。1人だけ男性で、あとは女性。女性の方がさっぱりしていて強くて、細かいのは意外と男の方が細かいことにうるさかったりする。
千原
れもんらいふで働いている女の子たちは仕事やプライベートを楽しむことが得意なんですよ。日々辛いことがあっても「ファッションのイベントがあるけど行く?」と聞くと「行くー!」ってなる。
MEGUMI
ノリがいいよね。
千原
そう、盛り上げてくれるんですよ。男性はその点が弱い。「パーティあるけど行く?」と聞いても「いや、僕はまだ仕事がちょっと残ってるんで」とか。
MEGUMI
「行けばいいじゃん!」ってね(笑)。行って帰ってきてから仕事すればいいのに。
私にも今10歳の子どもがいるんですけど、だからと言って家にいてずっと子どもといるんじゃなくて、遊ぶことや外に出ていくことをした方がいいと思っていて。やらなければいけないことに追われているだけだと、自分を保つことができなくなってくる。遊んでいると後ろめたさが出てくるんだけど、でも遊んだ方がいい。自分がきゃぴきゃぴすることを一生やらないと。
男も女も後ろめたさはいらないんだよ。やりたきゃやればいい。大事なのは、その後しっかりやること。そういう女の人の方がいつまでもかわいらしく、若々しくいられる。いろいろな人を見ていてそう思いますね。
千原
外の仕事と家庭の仕事を比べるとその差は大きいと思うんですね。
外の仕事は上司だったり、取引先だったり、お客さんだったり、自分がしたことを認めてもらえる回数は多い。反対に家庭の仕事はそれが少ない。だから、より一層自分で自分を盛り上げることが重要になってくる。
MEGUMI
そうだよ。家事ってお金出ないじゃん。でも、めちゃくちゃ忙しい。「わー! 食器洗ってくれてありがとう!」なんて誰も言ってくれない。「お風呂場がピカピカだー! こっちこいよー! 拍手―!」みたいなことってないじゃん。だから〝認められている感〟がないんだよね。「こんなに大変なのに!」という気持ちばかりが積み重なっていく。
千原
誰にも認められないことばかりで一日が終わっていきますもんね。
MEGUMI
さっき言ったように、人が認めてくれる場所やいろんなことを忘れて遊べる場所───自分がワクワクすることや場所を何でもいいから見つけた方がいいんです。何も考えず遊ぶ。それを意図的に作っていかないと、枯れてきちゃう。大人は忙しいからどんどん「私なんていい」ってなってきちゃう。だからそれはすごく大事なことだと思う。

プロフィール

岡山県出身倉敷市出身。2001年デビュー。
持ち前のキャラクターを活かしテレビや雑誌などで活躍。
近年では、ドラマや映画、舞台への出演により活躍の場を広げている。
映画「アイネクライネナハトムジーク」、「くもり ときどき はれ」、「ニート・ニート・ニート」、「巫女っちゃけん。」「孤狼の血」
テレビ、TBS「新しい王様」、YTV「黒い十人の女」、フジテレビ「スカッとジャパン」など。

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