女の子の人生、きいてみよう #02 中編

「自分の人生は自分で盛り上げる、という生き方」

女優・タレント MEGUMI

「立派に遊んでいる」

MEGUMIさんが千原さんをそう表現しました。でもその言葉は、千原さんだけでなく二人に共通する生き方のように見えました。

───「怖い想いをした方が人生は幸せになる」
タレントの枠を超え、女優、ラジオパーソナリティ、コスメブランド、飲食店経営、フェスの主催…、「好きなこと」を形にしていくMEGUMIさん。待っているだけじゃ、日々の感動はやってこない。仕事もプライベートも「自分ごと」として、向かっていく───二人は、自分で自分の人生を盛り上げることがとても上手なのです。

「立派に遊ぶ」というのは、ただただ楽しく遊んでいるだけではなく、しっかりとリスクをとりながら好きなことに没頭しているということ。身の回りにある、ほんのささやかなリスクを選択し行動するだけで、目に映る景色はその色合いを鮮やかに変えてくれるかもしれません。

本当にやりたいことをやる

千原
この会は、「女性としてどう生きていくか」ということがテーマですが。MEGUMIさんは今、女優として仕事をしていますよね?
MEGUMI
そう、「女優になりたい」と思い、5年前に意志表明をしました。誰にも聞かれていないのに会社の人を集めて(笑)。それまでずっと主にバラエティに出ていたんですが、出産と育児で仕事が止まってしまうタイミングに女優になることを決めました。私、本当に映画が好きで、小さい頃からずっと憧れがあったんです。でも「自分が出れるわけがない」と思い込んでいて、自分から一番遠いところにある仕事だと勝手に決めていました。
千原
グラビアをされていた時ですか?
MEGUMI
そうですね。〝夢〟じゃないですけど、そういうことを言葉にするのが恥ずかしかった。「笑われるかもしれない」ってすごく思っていたんです。だから周りの人から言われたことをこなし続けていた。ただ、出産のタイミングで、「私のセカンドライフはどうしよう?」と考えはじめたら、第二章のはじまる予感がしたんです。それが私の場合、映画だった。それでマネージャーを呼んで意志表明をしたんです。
私、毎年事業計画をつくっているんですよ。例えば「5月~8月は映画」とか、まだ全然オファーもないし、予定も決まってない段階で(笑)。
千原
それは自分のために?
MEGUMI
そうですね。「こうしたい」ということを表明する。企業は大体年間の事業計画をつくりますけど、芸能人はそういうことをあまりしませんよね。なんとなくブランドを立ち上げたり、商品をつくったりするのですが、しっかりと意志表明した方がいいと思ったんです。例えば、芸能の仕事も一人でできるものじゃない。事務所の意向や、タレントに合わせてマネージャーが仕事を持ってきてくれたりする。事業計画として「5年後はこういう作品に関わっていたい」ということを書いて、共有して、話し合っています。最初はみんな笑うんですよ。「MEGUMIさん、映画って!?」みたいな。そして、それにめっちゃ傷つくんですよ(笑)。
千原
こっちは本気で書いているからね(笑)。
MEGUMI
そう!
日本人は特にその傾向が強いかもしれない。「私、こういうことをやろうと思うんだよね」と言うと、必ずと言っていいほど「何言ってんの?バカじゃないの?」って。でもね、おもしろいもので、バカにされてもそうやって提案をし続けていると、小さい役が回ってきたりするんですよ。で、やってみると「意外とできるじゃん」って思ってくれるんです。私はそれを実現するために日々、先生をつけてトレーニングしていたわけです。「いつか、こういう日が来るかもしれない」って。そこから7~8年、映画に向けてずっとやっています。最初に意志表明をした時は笑われましたが、今では映画の仕事が増えてきました。「笑われる」のは本当に辛いことですが、やっていった方がいい。好きなことをやりたいし、そのために自分をアップデートしていけばいいと思います。
千原
言葉にするのは大事ですね。女優以外にもたくさんのことをされていますよね。他にどんなことされてるんですか?
MEGUMI
今は女優業がメインですね。でもバラエティもやるし、何気にラジオパーソナリティも15年くらいやっています。他には先程話したフリーペーパーと金沢のカフェ(https://cafetamon.jp/)とバーの経営、日本文化を伝える活動などですね。あ、あと今度地元の岡山でフェスを主催します。本当にいろいろなことをしていて、何屋かわからない状態ですが(笑)。千原さんも同じですよね。メインはもちろんアートディレクターだけど。
千原
そうですね。「アートディレクター」という肩書なのに、ラジオ番組を持っていたり、トークショーをしてたり、イベントを主催したりすると、業界の中には「アイツ何やっているんだろう?」と言ってくる人ももちろんいる。それで「自粛しよう」と考えはじめるとよくなくて。無意識に自分の中で規定をつくってしまうことになる。「やりたいことに忠実に生きる」ということが、いつの間にかできていない時がありますよね。
MEGUMI
わかる。人の目ばかり気にしてね。
千原
「周りがそういう空気だから、こっちに行った方がいいのかな?」みたいな。自分がやりたいことがわからなくなってくる。

縁を大切に

MEGUMI
〝縁〟ってあるじゃないですか。私が千原さんに出会ったこととか、今日この場のみなさんとお会いしたこととか。「その一つ一つに注目して、感謝する。それを伸ばしていくと、すべてがうまくいく」そう思うんですよ。
何かのきっかけで「今日はやっぱりやめとこうかな」という負の感情って誰でも起きますよね。
そうすると、今日の縁がなくなってしまう。この場所で、千原さんとトークショーをして、こんなにもいい機会をつくることができるはずだったのに、それがなくなってしまう。そういうことがもったいないなって。つまり、「今日あの人と会う」とか「この人と楽しい時間を過ごす」ということを決めて、縁を繋ごうと意識するだけですべてがうまくいく。そういう考え方、素敵だなって思った。
千原
僕もたくさんの人と仕事をする中で、「どうしてそんなにいろんな人と仲が良いんですか?」と聞かれることがあって。今MEGUMIさんが言ったことを自然とやっている感じがあります。パーティーで知り合うこともありますし、仕事で偶然お会いすることもある。でもね、そこで「縁を繋ごう」という気持ちがなければ終わっちゃうんですよ。

「もしかしたらこの人とおもしろいことができるかもしれない」と思わないと、その日せっかく出会ったとしてもそれで終わってしまう。
MEGUMI
そうすることで輪が広がっていく。〝私〟という人間は、やっていることがすべてじゃないですか。映画に出ることも、トークショーをすることも、ごはんをつくることも、子育てすることも…結果的にそれが〝私〟という人になる。どれも一人じゃないんですよね。誰かと何かをしないと、何もできない。それを大切に繋いでいくということがポイントですよね。
千原
僕ね、結構人見知りなんですよ。紹介されないと自分から喋ることができない。
MEGUMI
本当? 意外だね(笑)。
千原
だからたくさんの人数で喋っていても「千原さんです」と紹介されない限りは喋ることができないんですね。一回紹介を受けて、その日に多少お話する。そこで「また会いましょうね」とか言ってお別れするのですが、そういう言葉って大概実現しませんよね。
MEGUMI
「また連絡するね」とか言っても、絶対にしないよね。
千原
でもね、僕はそこをがんばるんですよ。
MEGUMI
確かにそうだ。「そうめんパーティするから来ない?」とか、ちゃんと連絡くれる(笑)。なるほど、そこだよね。千原さんがすごく楽しそうだなって思うのは、縁を繋いでいるからなんだ。待っていてもダメなわけですよね。
千原
そうですね。意外と人ってそんなに連絡しないんですよね。
MEGUMI
それこそ「ごはん食べに行こう」から、「今度大きなフェスやるから手伝って」とか「こういう写真撮らない?」とか。思いついたことを、人を巻き込みながら形にしていく。尚且つ楽しそうにやっている。そんな人ってなかなかいない気がするな。

プロフィール

岡山県出身倉敷市出身。2001年デビュー。
持ち前のキャラクターを活かしテレビや雑誌などで活躍。
近年では、ドラマや映画、舞台への出演により活躍の場を広げている。
映画「アイネクライネナハトムジーク」、「くもり ときどき はれ」、「ニート・ニート・ニート」、「巫女っちゃけん。」「孤狼の血」
テレビ、TBS「新しい王様」、YTV「黒い十人の女」、フジテレビ「スカッとジャパン」など。

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